赤木圭一郎

｢ああ、駄目、駄目、カット！｣と、監督さんから何度もダメ出しをされ、そのたびに小道具さんが新しいコーヒーカップを用意してくれます。｢落ち着いて、落ち着いて｣と自分に言い聞かせるのですが、冷や汗と震えはどうしてもとまりませんでした。
私は映画スターという星が、これほど眩しいものだとは知りませんでした。
私の二メートル先にいる赤木さんは、同じ人間ではなく、神様のようにも見えました。 (吉永小百合著：夢一途より抜粋)
案外知られていませんが吉永小百合のデビュー作は赤木圭一郎主演の｢霧笛が俺を呼んでいる｣です。
赤木圭一郎が亡くなったとき、病院で大泣きしている吉永小百合の姿がＴＶで中継されていたのを思い出します。